解説: 遮蔽 — 建物や壁がつくる死角
画素が足りていても、間に物があれば映りません。 遠隔巡視の配置検討では、画素密度と同じくらい「どこが隠れるか」が効きます。 このページでは、本アプリが遮蔽をどう判定しているかと、死角を減らす考え方を説明します。
1. 遮蔽の判定は「見通し線が物を貫くか」
カメラから対象へ引いた直線(見通し線)が構造物と交われば、そこは見えません。 本アプリでは構造物を直方体として扱い、カメラと対象の間で 線分が箱と交差するかを調べます。対象は面としてサンプリングし、 遮られなかった割合を可視率として返します。
- 2D カバレッジ(塗り分け): 上面図で、見通し線が構造物の footprint を横切れば不可視
- 対象の評価: 3D で対象面をサンプリングし、可視率(0〜100%)を求める
- 床(FLOOR)とフェンスは遮蔽物から除外しています (見通せるため。金網でない仮囲いを再現したい場合は壁として置いてください)
直方体近似は安全側の割り切りです。実物の凹凸・開口部・ 屋根形状は考慮しないため、「見える」と出た場所が実際は見えないことは基本的にありませんが、 その逆(実際は隙間から見える)はあり得ます。
2. 死角は奥へ行くほど広がる
壁の幅が変わらなくても、死角は奥へ行くほど横に広がります。カメラに近い障害物ほど、 広い範囲を隠すということです。小さな仮設物でも、カメラのすぐ前にあると 敷地の奥半分を失うことがあります。
図1: 壁がつくる死角(上面図)。近い障害物ほど影が大きい
3. 台数より「角度」を変える
同じ方向からもう 1 台足しても、死角はほとんど同じ場所に残ります。違う角度から見る 2 台目を置くと、死角どうしが重なる部分だけが 本当の死角になり、面積は大きく減ります。
図2: 角度を変えた 2 台目。重なった部分だけが残る死角
4. 体験: 壁の位置とカメラ高さで可視率がどう変わるか
カメラ 12m 先の人(幅 0.5m・高さ 1.7m)と、6m 地点の 壁(幅 4m・高さ 3m)の関係。 可視率はエンジンの computeTargetVisibility による計算値で、要求可視率は仮設定値(ASSUMED)です。
カメラを高くすると、低い障害物の上から見下ろせるため可視率が上がります。 ただし高くするほど対象までの距離も伸び、画素密度は下がります (高さと画素密度のトレードオフ)。
5. 配置検討でのチェック手順
- ③構造物 で、実際に建つ建物・仮囲い・資材置場を置く(工程ごとに変わる点に注意)
- ②カメラ でカバレッジを表示し、赤(不可視)の広がりを見る
- 赤が残る場所に対し、まず角度を変えた位置への移動を試す
- それでも埋まらない場合に、2 台目の追加や設置高さの見直しを検討する
- 工程を切り替えて、後の工程で建つ構造物が死角を作らないか確認する
2D カバレッジの塗り分けは上面図近似のため、カメラや構造物の高さ関係は考慮していません。高い位置から低い障害物を越えて 見えるケースは、対象を置いた 3D の可視率評価で確認してください。